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ホンダCD125T:「キャブレターに旅の成功を委ねる」は言い過ぎではない

CD125Tを世界一周の相棒にした経緯」にも書いたように、新しめのバイクを世界一周の為に調達する考えは、1ミリも無かった。

私のCD125Tは1990年式。それまでに何度もマイナーチェンジされてはいるが、新発売されたのは1977年なので、かなり設計年度が古いモデルだ。しかし令和になってもしっかり走るし、ましてや世界一周に連れ出そうとしているのは、基本がしっかりしている信頼に足るいいバイクだからだ。

当然それにはメンテナンスが何より重要で、これまでに各部に手を入れてきた。

特に重要なのがキャブレター。動力源がないと乗り物は進んで行かないないが、そのエンジンに燃料を適切に供給するのがキャブレターで、こいつがちゃんと機能しているかどうかで、エンジンの好不調が決まってくる。

CD125Tは原付二種のくせに2気筒。ところがキャブレターは1個のため、整備性もいいし同調をとる必要も無い。

まずは、2021年春前にオーバーホールをした。

ジェット類をバラし、ヤマハのキャブレタークリーナーで内部の清掃をし、各通り道が詰まっていないか確認。岸田精密工業のキースターキャブレター燃調キットの各ジェット類に新品交換(番数は標準値)。フロートはホンダ純正に新品交換。油面をマニュアル通りの14mmに合わせておく。ダイヤフラムはまあまあしなやかで、状態は良かったものの、できれば交換したかったが、ホンダ純正が終了の為シリコンスプレーを吹いておき、状態の維持に努める。


「キースターの燃調キット」とホンダ純正キャブレターパッキン各種。
左下はメインジェット、番手の刻印が超細かいので虫メガネで見ないと判別不能(老眼のため)。置いてある順番通りにメモしておく。
アナログパーツを眺め、その精密な機能美にあらためて心を奪われる。
フロートも新品に交換しておく。ダイヤフラムの新品もあったら完璧なのだが。
新品の真鍮パーツがまぶしい。


1年後の2022年春先にプラグ交換の際、焼け色を見ると、ほぼ白なので燃調が薄いと判断。キースターキャブレター燃調キットの取説に従い、メインジェット・ジェットニードル・パイロットジェットを交換、空燃比をリッチ側(濃い側)に1段変更し、何度か試運転。結果、かなり改善したのを体感。

燃調を「やや濃い目」にしたので、気温の低い序盤のシベリア〜中央アジアには好都合である(気温が低いと空気が濃くなり燃調が薄目になるため)。その後、低温地帯が終了したらジェット類は標準側に戻す予定である。パイロットジェットだけは濃い目のままにしておくかもしれない。



特にエンジン始動後のアイドリングよりやや上の回転数でのもたつきが無くなり、つきが良くなった。それと高速(125ccにとっての)側の伸びも良くなり、快調なエンジンへと復活した。

残る懸念はダイヤフラム。経年劣化が原因で穴が空いたりした場合は、キャブレター自体もう使えなくなってしまう。

STEP
キャブレター使用不可
STEP
エンジン動かない
STEP
バイク走らない
STEP
世界一周の途中で終了


となり、非常にマズい。

ネット上でダイヤフラムを国内外探してみるが純正品の新品を適正な価格で販売しているところは無く、また代替品も存在しない。

対策は1つしかない。現在の負圧式キャブレターの予備として、強制開閉式キャブレターの新品を確保しておくことだ。

ということで、次回は予備キャブレーターの取付け&試運転です。

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