ツーリングで音楽を聴きながら走る、有りか無しか。車では聞くんだから、バイクだって「有り」だろうとは思う。ところがバイクだと、これがけっこう難しい。風切り音やエンジン音、タイヤノイズなどが常に耳に入っているのがバイクの走行環境であり、音楽を聞き取るような余地はあまりない。
それでもなお、そういった走行音を押しのけて音楽が耳に届くようにするには、2つの方法しか無い。
1つはバイクにスピーカーを付けて音を流す方法。豪華装備を誇る一部の高級バイクには車載のちゃんとしたオーディオセットがあり、ハイウェイクルージングで聞けるようになっている(試した事がないのでどのくらいちゃんと聞けるかは不明)。そうでない一般バイクの場合は、外付けできるスピーカーを用意して爆音を流すスタイルにするしかない。
始めは筆者もアウトドアでも使えるスピーカーを買って、デジタルウォークマンと繋ぎ何回かツーリングをしてみた。
時速50kmくらいだと、そこそこボリュームを大きくすればけっこう聞こえる。時速60kmを超えてくると、いわゆる爆音スタイルにしないと聞こえにくい。そうすると信号待ちなんかでは大音量の歌謡曲が周りの車なんかにも聞こえてしまい、「おニャン子クラブ」なんかの曲がかかっていたりすると、やはりちょっと気まずい。
日本国内だと、この爆音スタイルはイマイチなじまない。わざわざ「ぼく、バカでーす」と触れ回っているようなもんだ。逆に海外なら大丈夫と思うし、なんなら世界遺産の前の道路の信号待ちで昭和歌謡を流す筆者のバイクに気づいた日本人旅行者に手を振ったりしたっていい。
そんな話しはともかく、外付けスピーカーをやめた理由は、オフタイヤの走行ノイズがかなり大きくて歌が聞き取りにくく、ほぼ使い物にならないから。
上の動画の正解は、松田聖子の『星空のドライブ』でアルバム「Candy」の1番目の曲です。
2つ目はヘルメットにスピーカーを内蔵させる方法。最近はヘルメットに内蔵させる専用の薄型スピーカーが複数のメーカーから発売されていて、色々選べるのはありがたい。
買ったのは、バイク用インカムで有名な「サインハウス」のヘルメットスピーカーのステレオミニプラグのタイプ。
スピーカーのミニプラグをデジタルウォークマンに挿せば音が出るはず。ヘルメットにセッティングする前に、一応試してみてちゃんと音がでたのでホッとした。
それでは試聴してみよう。室内では全く問題なく、まるでヘッドホンをしてるような聞き心地。肝心のライディング中の使用感はどうか、翌日ハイペースで流れる幹線道路を30km位走って試してみた。
これが想像以上に問題なし。オフコース『さよなら』のイントロのピアノもちゃんと聞き取れる。もっと早くに導入すればよかった。
さて、筆者にとり音楽というのは歌謡曲の事で、洋楽とかクラシックとか演歌ではない。
縦9.7cm、横5.4cmという小さなこのデジタルウォークマンに収録した歌謡曲は約800曲になる。数年前のある時デジタルウォークマンを買い、そしてレンタルCDや有料ダウンロードを駆使し、数ヶ月以上かけてせっせと録音に励んだ。
まずは、1968年(昭和43年)あたりのヒット曲から始まる筆者オリジナル編集の年代別歌謡曲。録音数は約410曲、いったいどんな曲の数々なのかきっと読者の方も興味津々だとは思うが、残念ながら記事のスペースの関係上披露するのは困難である。
えー、知りたいですか〜?ですよね~。
そしたらちょっとだけ教えちゃいますか。
最初の「〜1969年(〜昭和44年)」と「1979年(昭和54年)」の録音曲の歌手名・曲名を抜き出します。
1969年とそれ以前の曲
由紀さおり | 夜明けのスキャット |
ピンキーとキラーズ | 恋の季節 |
内山田洋とクールファイブ | 長崎は今日も雨だった |
はしだのりひことシューベルツ | 風 |
ザ・フォーク・クルセーダーズ | 帰ってきたヨッパライ |
ザ・フォーク・クルセーダーズ | 悲しくてやりきれない |
いしだあゆみ | ブルーライトヨコハマ |
ヒデとロザンナ | 愛の奇跡 |
新谷のり子 | フランシーヌの場合は |
弘田三枝子 | 人形の家 |
千賀かほる | 真夜中のギター |
ブロードサイドフォー | 若者たち |
ザ・ワイルドワンズ | 想い出の渚 |
ブルーコメッツ | ブルーシャトー |
黛ジュン | 天使の誘惑 |
1979年の曲
ジュディ・オング | 魅せられて |
さだまさし | 関白宣言 |
さだまさし | 天までとどけ |
ゴダイゴ | ガンダーラ |
ゴダイゴ | 銀河鉄道999 |
ゴダイゴ | ビューティフルネーム |
ホーリー&ブライト | |
ハピネス | |
アリス | チャンピオン |
牧村三枝子 | みちづれ |
ピンク・レディー | カメレオン・アーミー |
ピンク・レディー | ピンクタイフーン |
ピンク・レディー | ジパング |
波乗りパイレーツ | |
サザンオールスターズ | いとしのエリー |
C調言葉にご用心 | |
水谷豊 | カリフォルニア・コネクション |
岸田智史 | きみの朝 |
山口百恵 | いい日旅立ち |
山口百恵 | 美・サイレント |
しなやかに歌って | |
サーカス | アメリカンフィーリング |
さとう宗幸 | 青葉城恋歌 |
円広志 | 夢想花 |
ツイスト | 燃えろいい女 |
八神純子 | みずいろの雨 |
チューリップ | 虹とスニーカーの頃 |
布施明 | 君は薔薇より美しい |
柳ジョージ&レイニーウッド | 微笑の法則 |
桑江知子 | 私のハートはストップモーション |
倉田まり子 | グラジュエイション |
BORO | 大阪で生まれた女 |
榊原郁恵 | 微笑日記 |
青春気流 | |
岩崎宏美 | 万華鏡 |
松坂慶子 | 愛の水中花 |
石野真子 | 日曜日はストレンジャー |
ジュリーがライバル | |
杏里 | オリビアを聴きながら |
パル | 夜明けのマイウエイ |
尾崎亜美 | 春の予感 |
こんな感じで2020年あたりまでの歌謡曲を録音した。
それプラス、ユーミン約180曲と松田聖子・甲斐バンド・竹内まりや・中島みゆき他いろいろで約210曲以上。合計で約800曲となる。
こうした珠玉の名曲を多数たずさえ、独り見知らぬ道を走りながら、時には励まされ時には涙しながら、筆者のバイクで世界一周は続いていくのである。
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