バイクのジャンルの1つにビジネスバイクがある。このビジネスバイク、実は社会インフラでもある。今でも、郵便や新聞、ヤクルト、ピザなどの配達に使われている。ひと昔前までは、警察のパトロールや店屋物の配達、会社の営業まわりにも活躍していた。
以前であれば、こうしたビジネスバイクに日の目が当たることはなかった。魅力的なバイクが各メーカーから次々と発売されていたからだ。しかしいつの頃からか、我々おじさん達が乗りたいバイクが少なくなっていった。平成中期あたりからだろうか、スーパーカブを趣味的に乗っているのを目にするのを多く感じるようになってきた。
やがて令和になると、ホンダからスーパーカブの派生モデルが続々と出てきて新しい潮流となっている。
さて我がCD125T。神社仏閣スタイルを色濃く残した正統派ビジネスバイクである。
特に目立つのが、白いレッグシールドだ。靴やズボンを汚さないように配慮されたパーツで、ホンダの公式ニュースリリースにも「足元への泥はねや風などの影響を低減するレッグシールド」と出ている。
実際のところ防寒や汚れ防止よりも、これがあることで一目でビジネスバイクだと分かる「アイコン」としての役割の方が大きいような気がする。ツーリング途中のバイクが集まる休憩場所なんかでは、一部の好き者が乗るバイクとして、4気筒スーパースポーツやハーレー軍団からは、ビジネスバイクは無害な存在と認識される。つまり相手にされない。
筆者も道内をツーリングしたりする時には、無論そういう華やかなバイク達に混ざって止める。しかし大抵の場合、多くのライダー達の関心を引くこと無く一瞥すらされないのだ。しかし筆者、声には出さないが
「ふふっ、君たちには分かるまいが、この古臭いビジネスバイクはこれから世界一周バイクになるんだぜ」
と心の中でつぶやいたりするのである。そしてついニヒルな口元になってしまうけれど、もちろん誰も気付くことはない。
さて、このレッグシールドは白くてそこそこの面積があるので、ウインドスクリーンと同様に世界一周途中の先々で手に入れたステッカーを貼る場所として最適ではないかと思う。
何年か前に純正品の新品を買っておいたのがあって、そろそろ出発前準備としていい頃合いだと思い先日交換した。
レッグシールドに貼ったこのエンブレムは、そもそもCB1300 やCBR1000RR-R のガソリンタンクに燦然と輝く純正品で、原付2種バイクなんかには貼ってはいけないという不文律があるとか無いとか。しかもレッグシールドだからね。ホンダ二輪のフラッグシップバイクにのみ許された高級品としての証を、まるで台無しにする暴挙。まあいいか。
そしてさらに汚れ、曲がり、割れ、帰還する頃には無くなっているかもしれない。
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