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その穴の開いたくつ下、まだ捨てないで

旅のスタイルは人それぞれで、自分が信じて納得したやり方を実践していればそれでいいと思う。

荷物の持ち方の一つにミニマム派というのがある。最小限の装備・持ち物だけで軽快に動き回ろうというものだが、これがどうも私には向いていない、というか出来ない。ミニマムスタイルについては、もうこれ以上言及しないでおこう。

私はできるだけ持って行く派、必要と判断したものは全部持って行く。バイクに積みきれるだけ積んで過積載で出発する。しかし、積みこんだアイテムを全て持って帰るつもりはさらさらない。不必要となったものは捨てながら旅を進めて行く。

ここでは主に下着類について書いてみる。

ところで、筆者の穴あき靴下や穴あきパンツの画像は要りますか?

そうですか、要りませんか。

普段生活をしていれば、身に着ける服は擦り切れたり穴が開いたりして寿命がくる。当たり前の事だ。そして使えなくなってしまえば、その都度燃えるゴミとして処分する。

しかし、出発を数年後に控えた過去の筆者はそうしなかった。今は捨てない、とっておいて旅先で最後に1回使って旅先で捨てることにしよう。いったい全体その行為にどんな意味があるのか。実は大して意味は無い。せいぜい帰りの荷物が少し減ったり、洗濯の回数も少し減る程度の意味しかない。むしろ極めて無意味に近い自己満足の類である。ずっと前からやっていた旅の習慣であるけれど。

擦り切れて穴のあいた靴下やパンツを見ながら、まだ見ぬ大陸の風景に想いをはせる。「燃えるゴミ」同然の衣類が、次第に海外旅行への夢先案内人に見えてくるから不思議だ。このような珍奇な現象は筆者だけに現れるものであろうか。きっと、旅の魅力にすっかり脳が侵されてしまったような人種に特有の症状かもしれない。

夢先案内人』というのは作詞家阿木燿子の造語で、山口百恵の昭和53年(1978年)のヒット曲である。筆者的には、この曲の他『乙女座宮』や『しなやかに歌って』のような軽い曲調の歌が山口百恵の中では好きである。ただ、あの3人の中では、どちらかというと桜田淳子の方がお気に入りであった。ちなみにこの昭和53年(1978年)という年は、キャンディーズが解散したりピンクレディーが『UFO』でレコード大賞をとったりサザンオールスターズがデビューしたりと、そういう年である。

さて、数年間ためこんだ不要衣類であるが、なんと靴下13足・パンツ12枚・冬の下着3枚・夏の下着5枚となった。これでどのくらい洗濯をしなくて済むだろう?

この件のルールはこうだ。例えばパンツだが、まず何日間かはき続ける、もう無理と感じたところではきかえる。脱いだものは、バイクの油汚れふきなどに再利用してから捨てる。

非常に簡単。しかもジャッジするのは自分だ。ここがみそだ。言うまでもないが、「みそもクソも一緒」に絡めたダジャレではないよ。まあ普通分かるか。

実際何日目が限界点なのだろうか?パンツをまずは普通にはく。次に前後ろ逆にしてはく。さらに裏返しにして前と後ろの計4パターン。1パターンを5日間使えば、なんと1枚のパンツで20日間もつ。理論的には可能だ。そりゃ可能だろう、でもね私はそこまでは堕ちないわ。

穴あき靴下・パンツ、適度な限界日数まで使ったら、ソッコー捨てます。ということで下着類は、概ね1,2か月は洗濯しなくても良さそうだ。

あとは新品未使用品と継続使用品をいくつか持って行き、こまめに洗濯していく予定。

※一番上のアイキャッチ画像は、マレーシア・イポーの街中にあった壁に書かれた絵。

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