1月12日ツーリング3日目、日本が冬の時は東南アジアは乾季なので、まず雨は降らない。そして暑くても乾燥しているので、まあまあ我慢できる範囲である。
この日はラオスから再びメコン川を渡り、タイに入国しアムナートチャルンへ向かう。走行距離は約110kmとなる。
舗装がいいとタイヤの転がり抵抗も少なくパワーロスが減る。また追い風の威力も大きく、タイ側は距離がかせげる。
通り過ぎる途中の街で市場があったので、昼ごはんにする。
追い風に押され、目的地のアムナートチャルンに予定より早くに到着した。まずは宿を見つけなくてはならない。アムナートチャルンについての情報を持ってなかったため、久しぶりの行き当たりばったりだ。大きな街ではないので、すぐに見つかるだろうと高を括っていたが、東西南北の通りを走ってみるものの宿っぽいものは見当たらない。30分はそんな感じでうろうろするうちに、ちょっと面倒くさくなってきていた。
次の一手をどうするか考えながらゆっくり走っていると、「POLICE」の看板が目に入った。大した期待はしていないが、とりあえず寄ってみることにした。自転車を立てかけ、入口付近にいた人に英語で話しかけてみたが通じないので、諦めて去ろうとしたら、その人がちょっと来いという仕草で警察の建物に導く。
嫌な予感も良い予感もしなかったが、この場の流れに任せてみることにした。階段を上がり薄暗い廊下で待っていると、初めに話しかけた人が女の人を連れてきた。不審そうな顔のその人に、ホテルを探していることを伝えると、ちょっと来いと部屋に通された。ステージ2になった。
中に入ると、仕事中の人が何人もいて私に一斉に視線を送る。しょうがないのでタイ語で挨拶して、黙っていてもアレなので英語ができる女の人に旅の様子なんかを話して場をもたせる。男の人が電話で誰かと話しをし始めた。良い方向に傾いているような気配がうっすらと感じられた。
10分ほどしてホテルの人がピックアップトラックでやって来た。警察から紹介された大切な客人とでも一方的に解釈していたのか、滑稽なほどうやうやしい態度で私と自転車を車にのせホテルまで連れていってくれた。
アムナートチャルン警察のみなさま、お世話になりました。
「なにか良からぬことでもしてブタ箱で一晩」的な展開を期待していた方、スイマセン。ことばのままでした。
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