ロス・アンティグオス〜バホ・カラコレス〜グレコ゚レス〜トレス・ラゴス〜エル・カラファテ。4区間、737km。
チリ側にあるアンデス山脈から吹き下ろす風が、パタゴニアの大平原を吹き抜ける。場所や時間に関係なく常に北西または西の風で、風速は筆者が走ったルート・季節で7〜15m。夜中はいくらか弱まっているようである。
筆者はパタゴニアの西側を南行きで走るので、右側から強烈な横風を受けることが多い。道路が向かう方角により追い風や向かい風になることもある。強い横風のせいで、バイクのような軽い移動体だと簡単に反対車線にいってしまう。常に修正をあてながらの走行で、125ccバイクなので時速30キロ台になることもしょっちゅうだ。速度を落とさないで横風に対応することは不可能。
道路の向きが南東になると超追い風になり完全無風状態で一挙にスピードが上がる。なので基本的に左カーブの後は嬉しく楽ちんで、右カーブ後は恐怖の横風と戦うことになる。また、ルート40は概ね舗装ではあるものの一部ダート区間もあり、そうなると真剣勝負で走らないと悲惨な事になる。
ただ救われるのが交通量が極端に希薄なので、反対車線に流されても慌てること無く戻ることができる。


12月21日(日曜):チリからアルゼンチンに入ったということは、アンデス山脈を越えたという事だ。はて、いつ越えたのか?思い返したら前の日の未舗装の峠は分水嶺になっていたようなので、あれがアンデス山脈の尾根だったのだろう。標高は多分2000m未満だと思う。
チリで出会ったライダーが口々に、パタゴニアは風が強いから気を付けるようにとアドバイスをしてくれていた。ホテルの前は湖で、湖面は絶え間なく風で白波が立っている。まあ、雨でも風でも行くしかないのだ。ツーリングとはそういうものである。
ロス・アンティグオスを東に向かい、最初の町がペリート・モレノ。ここでガソリンを予備タンク共に満タンにする。翌日の宿泊地のグレオレスまで300km以上給油できない可能性が高いのだ。この町からパタゴニア街道40号線に乗る。ひたすら南下し南アメリカ大陸最南端を目指す。
この日の宿泊はバホ・カラコレスという小さな集落。ネット予約ができない宿が1軒のみで、満室ならテント泊しかない。ただ、筆者の毎日のスケジュールで言うと、宿泊地には13時〜15時には着くようにしているので、たいてい部屋はある。





本日の走行距離:185km
12月22日(月曜):荷物をまとめ、8時に出発。横風・向かい風と戦い、時々追い風に助けてもらい何もない広漠とした大平原をひとり走り続ける。ロシアやカザフスタンとはまた違った景色で、その具体的な相違を説明するのは難しいけれど、とにかくアジアとは違う様子なのである。
たまーにすれ違う対向車の人が手であいさつをしてくれるが、こっちは片手をハンドルから話すと風に流されそうになるから何もできない。
この日の宿泊はグレゴレスという小さな町。ホテルは予約のできた所。


本日の走行距離:219km
12月23日(火曜):難関コースがある日である。途中で73kmの未舗装区間があり、しかも強風。結果から先に言うとその区間の走破に3時間以上かかった。別の日に出会ったライダーは強風のため警察に止められ、やむなくトラックにバイクを載せ(有料)通ってきたと話していた。そういう強烈な道なのである。仮に無風状態で空荷のモトクロッサーなら何事もなく走れると思う。



とにかく右横からの強風に絶えず煽られながら進んで行かなくてはならない。時速は20キロ前後。視線・三半規管・バランス・バイクの操作は、脳みそ・運動神経・筋肉のフル回転でボケてるヒマは無い。
一部区間、轍の間に小石が積もっていて、風に流され小石地帯に突っ込みバイクが止まる。あるときはあまりの振動で右のパニアケースがバイクから外れて落ちてしまった。
それでもなんとか走りきり、舗装道路に戻った時、あまりの滑らかさに体から力が抜けていった。
この日の宿泊はトレス・ラゴス、予約はしていないので直接ホテルに行く。


本日の走行距離:壮絶だった173km
12月24日(水曜):前日の未舗装区間走行で部品などが緩んでいないかチェックをする。



バイクは特に問題ないので、向かい風に突入していく。毎朝新しい旅が始まる。









この日の宿泊はエル・カラファテ、2泊の予定。


本日の走行距離:160km

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