2025年12月と2026年1月にかけてホンダCD125Tで走った、約1ヶ月のパタゴニアの旅。チリとアルゼンチンにまたがる南米の辺境地域は実に面白かった。
道路事情
筆者の取ったルートは、チリをサンティアゴ方面から南下しチャイティンからアウストラル街道国道7号線で南下、チレチコ国境からアルゼンチンに入り国道40号線を南下、チリ・アルゼンチンを出入りし最南端ウシュアイアへ、その後国道3号線で北上というもので、走行距離は約4800kmになった。(上の地図を参照してください)
このルートでの道路の舗装率は約98%だった。ただ筆者の場合、どうしても避けられない以外は未舗装路を選んでいない。未舗装も全く問題ない車両であれば、ショートカットできるルートも選べる。
このルートでは、街なか以外はほぼ片側1車線である。また道路沿いに整備された休憩・待避スペースはほとんど用意されていない。路肩を広げたような未舗装の簡易的スペースがたまにあるだけで、休憩のきっかけになる場所が極端に少ない。路肩は狭く未舗装で、風に煽られればかなり危険である。
町や集落との距離が長く、灌木すら生えていない漠とした何も無い大地がただ広がっているだけである。交通量も希薄で、車両や人間に何かトラブルが発生した時は助かるまでにはかなり時間がかかると思う。



強風
パタゴニアにはつきもので、避けることはできない。夏の基本的なパターンは西風で、チリ側から冷たい強風が内陸に向かって吹き下りる。ルートの取り方や道路の向きにより追い風・横風・向かい風の傾向に違いはあるものの、ウシュアイアを目指すならどのみち同じだと思う。危険なのは横風で、相当集中して走らないと悲惨なことになるかもしれない。
実際筆者も立ち転けレベルではあるが、横風を受け2回倒された。道路に鳥の死骸があるのは、空中を飛ぶのが専門の鳥ですら上手く風をコントロールできずに車に当たってしまう証拠である。
大西洋側の国道3号線を北上していくほど、強風の頻度は少なくなっていく。
気候など
南半球なので南下するほど涼しく(寒く)なっていく。チリ側は強風は無いものの雨が多い。フエゴ島南部では特に冷涼で雨の確率が高い。パタゴニアの内陸南部では強風にさらされれば、やはり寒い。いずれにしろ夏でも防寒装備は必須である。
南半球は排水の渦が北半球と反対なのではという都市伝説的な話があるが、筆者が確認したところ時計回りも反時計回りの渦もあるので、どうやら関係ないようだ。
オーロラは南半球では南極と周辺の一部でしか見られないようなので、南緯54度のウシュアイアでも無理っぽい。



ガソリンスタンド
150km以上給油できないことはザラである。タンク内のガソリンがあまり減っていなくても、ガソリンスタンドを見かけたら給油すべきである。次の町のスタンドが万が一営業してなかったり、何かの理由で給油できない可能性だってある。また、ガソリン携行タンクも同じ理由で必須。辺境地域をツーリングするならば、そういう準備はして当然だと思う。
給油方法は、街道沿いの大きなスタンドでは係の人が入れてくれて、カードや現金で支払う。街なかの小さなスタンドだと、機械のみの対応だったり先払い方式もあった。値段はリッター150〜160円くらい。また他の国と同様に、油脂類の販売もしているのでオイル交換も問題ない。
街道沿いの大きなスタンドには、コンビニ的な売店が併設されていて軽食類やドリンクもあって、かなり助かる。またトイレは無料で利用できる。



食事と宿
そもそもチリ料理・アルゼンチン料理ともあまり種類が多くなく(筆者調べ)、さらに辺境地域のパタゴニアでは食材の物流が厳しいため単調な食生活になりがちだ。よってB級グルメを楽しむ機会は少なく、カロリー摂取目的の食事と割り切るしかない。
一方ワインは豊富で好きな人なら相当楽しめると思う。スーパーにも大量に陳列されている。また大抵のレストランではグラスワイン1杯でも注文できるので、筆者のようなあまり飲まない&素人にも一応敷居は低くなっている。
ホテルは小さな集落にもあるが高い。観光客は主に短いサマーシーズンに集中するので致し方ない。整備されたキャンプ場は少ない。チリ側では見たが、アルゼンチン内陸では見かけなかった。強引に野宿をするならば、できないことはない。それでも水の確保を考えたら、ガソリンスタンドの近くになりそうである。



インターネット事情
食堂やガソリンスタンドの売店内でも簡単にWi-Fiが利用できる。ショボい安宿でもWi-Fiはあって、案外ちゃんとしていた。
eSIMは基本的には町と周辺でしか繋がらず、何も無い大地では電波も無い。
ツーリングライダー・ドライバー
チリ・アルゼンチンナンバーのバイクの他、ブラジルも多い。ヨーロッパのライダーもよく見かけた。すれ違う時、バイク乗りならば互いにピースサインなどで挨拶を交わす。南米の特徴として腕を下に向けてのピースサインが多い。日本では見ない仕草で、今のところ理由を聞けていない。筆者は日本風に腕を大きく斜め上に伸ばして手を振る。
バイクはもう圧倒的に、でかいアドベンチャータイプだ。まるで約束事のようで、実は筆者的には見ていて少々気持ちが悪い。BMWのGS系だけで7割、後はホンダ・アフリカツインやトライアンフ。ロイヤルエンフィールドも見かける。あと中国系のCFMOTOもけっこう見る。←何故あえて中国のバイクを選ぶ?←安いから。
ドライバーの運転はそんなに悪くない。
約1ヶ月間のパタゴニアで自転車旅行の人は10人未満だった。相当厳しいと思う。チリ側だけならなんとかなりそうな感じ。



野生動物
グアナコは普通に見かける。近付くとすぐ逃げ出すのに、目が悪いのか判断が鈍いのかしばらくこっちを見ていることが多い。ダチョウによく似たミニサイズの鳥がいて、たまに見る。猛禽類の鳥も多い。アルマジロをどこかで1匹見た。



以上、夏のパタゴニアツーリングのまとめでした。

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