1986年人生初の海外旅行 タイ・マレーシア・シンガポール 前編

4日ごとにブログを更新」などと言って大見得切ってはみたものの、(それなりに下書きは書き溜めているのだが)バイクの装備や旅の準備記事だけで出発までの2年間ブログが維持できるとも思えない。こうなれば以前行った海外旅行の記録を小出しにするという、いささかドーピング的なやり方でブログのアーカイブを膨らませていこうと思う。

出来るだけ旅行当時の雰囲気や情報をそのまま書きたいのだけれど、如何せん細かい記憶はすでに忘却の彼方。フィルム時代に撮った写真のネガも、デジタルカメラの記録メディアのいくつかもいくら探せど発見できず。

そういう悲惨な状況の中、今わずかに脳内にかろうじて残る記憶となんとか探し出せた写真やメモを元に、当時の旅行記をこれから色々と書いていきたい。

過去の旅1回目は、人生初めての海外旅行。行き先は、タイ・マレーシア・シンガポール。初回からすでに個人手配の1人旅。今から37年前、1986年(昭和61年)の春であった。

※なお、この旅行記事の「画像はイメージです」。(タイで最近撮ったやつなので)

それでは、人生初の海外旅行の様子をどうぞ。

バックパッカー入門予定の若造にとって「格安航空券」という新しい言葉は、「国鉄の特急券」とは違う何か夢のような響きを持った、単なるチケット以上のものであった。その格安航空券を求め、西新宿にある「秀インターナショナル」という旅行会社(令和の今なら知らない人はいないあのHIS)に行った。そこに行けば買えると、多分「地球の歩き方」にでも書いてあったんだと思う。

パスポートを作り、新宿で航空券を買い、ビザを大使館まで取りに行き、現金をトラベラーズチェックにするために銀行に行き…。全て人生で初めての作業だ。

要領を得ず右往左往した準備の後、1986年3月下旬のある日の午後、私はバンコクのドンムアン国際空港に降り立った。

とりあえず空港を出よう。次に通りの向こうにある駅まで行く。そしてバンコク中心部まで行く列車に乗る。ガイドブックに書いてあるのでそうしよう。意を決し恐る恐る空港のドアを開け外に出た。

まとわりつくタイの暑い空気には、嗅いだことの無い独特な匂いも混ざっていた。

あの時の不安気な自分に今ならこう語りかけたい。

「君が自ら開けたドンムアン空港のドアは、まだ見ぬ世界へといざなう扉で、その後いくつもの扉を開け世界各地を旅するようになる。そして人生の終盤にさしかかる頃、世界一周に出発する事になるんだよ。君の好きなバイクでね」と。

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