2006年台湾・南部横貫公路(台南→台東)自転車ツーリング(2):寶来温泉郷から天池へ

ツーリング2日目の9月28日、爽やかな朝日の中へと走り出す。寶来温泉郷を出るとすぐに道幅は狭くなり、いよいよ長い登りになっていく。

路外に落ちても知らんよ、という分かり易いメッセージか。
出ました桃源郷、自らハードルを高く上げてしまった地名だけど大丈夫か。
でもそこは桃源郷、きれいな蝶も舞っている。
既に暑い。たまに出てくるこうした集落で、水分の補給をしながら走る。
日本人には分かりやすく、きれいな地名が多い。
傾斜はいよいよきつく、道幅も狭くなっていく。


自分の他に自転車で走っている人はいない。クルマに乗った人が、追い越す時に「加油(ジャーヨ)」頑張れと声をかけてくれる。それなりにうれしい。


通り過ぎる集落に、原住民風のレリーフがあり中華とはまた違った雰囲気がして面白い。
ひものようなピンク色の花。多分珍しい?
高度450mを上げてきた。


そして当初の計画でのこの日の目的地だった梅山口(標高1014m)に昼前に着いた。

梅山口の集落。ここを出るとさらに本気の登りが手ぐすねひいて待っている。
昼ごはん、エネルギー充填。


晴天の青空や、遠く続く峰を眺めながら昼ごはんを食べていたらなんだかもう少し走りたくなってきて、当初の計画を変更することにした。「明日1800mアップするより、今日天池まで走ってしまおう。距離は25キロ、あと1200mアップ。そうすれば明日の登りは、最高地点までの最後のキツイ450mアップだけだ」

今(2023年)ならゼッタイにあり得ない計画変更だ。まあそもそも2700m越えの峠に挑もうと思いさえもしないが…。

というわけで天池に向けて走り出すが、いきなり巨大な登りカーブが立ちはだかる。赤い矢印の所まで道があるのが見え、バスが喘ぎながら登っていくのがわかる(黄色い丸)。

あまりに暑いので、沢の水を汲んで頭や手足にかけながら走る。
赤い矢印の所まで登りきり、梅山口方向を見る。高度差300mくらいはあるだろうか。
全く照明の無いトンネル、ライトを前後点灯させ突っ込んでいく。

この後さらに急登の連続でエネルギーは削られていき、最後の方は自転車を押し、暗くなる頃天池に疲労困憊で到着した。

この天池には「正式な宿」も食堂もない。林務所の簡易宿泊施設(一泊300元)があるだけ。作業員の方と一緒に晩ごはんをいただいた。

個室で寝られるだけでありがたい。
作業員の方の手作りの食事。

台南側から上がった場合は梅山口に、台東側から台南へと向かう場合は利稲か唖口に宿泊するのがおすすめ。また梅山口⇔利稲間は、食べ物・飲み物を補給できる店はなかった(2006年当時)。

夜中、目が覚め外に出てみたら、満天の星空だった。

2日目の走行距離:57キロ
高度:1874mアップ

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