約1ヶ月かけて夏のシベリアを横断した。ウラジオストクからノボシビルスクを経てカザフスタンへ6500kmの旅路。バイクのトラブルはなく、非力な相棒CD125Tは頑張って走ってくれた。
道路事情
西行きを基準とする。ウラジオストク〜ハバロフスクはロシアの交通事情に慣れるのに丁度いいステージである。ハバロフスクを出ると本格的なシベリアとなる。ユダヤ自治州内の一部に未舗装が20kmくらい残るが、基本的には舗装道路である。しかしながら路面は舗装が剝がれ、穴になっている部分が多い。直径30〜50cm・深さ5〜10cmが平均的な穴で、避けきれずそのままのスピードで穴に突っ込むとリム打ちパンクとなる危険性がある。工事中の現場も何度も通過する。
また、道路は地形をなぞらえて出来ているので、常に低い丘が連続するアップダウンである。低い側の鞍部になっている箇所は必ず橋がかかっていて、その接合部分には例外無く厳しい段差や穴があり、減速必須で越えたり避けたりする必要がある。走行中はとにかく穴を早めに見つけるかが重要となる。
ウラジオストクから約3000km、チタを過ぎると舗装の状態は良くなる。さらに1000km、イルクーツクを過ぎるとさらに走りやすくなる。肌感覚で98%は片側1車線道路なので、遅い車両は右に寄り、抜かれ易くするべきであろう。
西行きのメリット・デメリット。良い点は、朝から太陽を背に走るので眩しくなく目に優しい。道がだんだん良くなっていく。悪い点は、向かい風が多くパワーのないバイクだとスピードが出なくなる。自転車だといっそう厳しいに違いない。



ガソリンスタンド
100kmに1ヶ所はあるので、ヘマをしなければガス欠の心配は無さそうである。給油方法が日本とは違うものの、2,3回利用すれば大丈夫でしょう。給油量を指定して先払いで入れるので携行缶は必要。タンクに入りきらない場合は携行缶に入れておく。携行缶が無いと面倒くさい結果になります。
ハバロフスク〜チタといった地域はガソリンの単価も高い。例えばレギュラー1リッターが、西シベリアだと56ルーブル(約95円)、東シベリアの辺鄙な所だと65ルーブル(約110円)という差がある。
ガソリンスタンドはたいてい売店にもなっているので、飲み物の補給やホットドッグなんかも食べられる。



食事と宿
街道沿いには、食堂(ロシアではカフェという)と安宿が一緒になっている施設があって、だいたい100km未満に一つは建っている。食堂はストロバヤ形式(好きなものを選んで会計)の所は多くはなく、写真なしの文字のみのメニューを見て必死で注文する。覚えたロシア語メニューは少ないので、結局ワンパターンになりがちとなった。
こうした安宿はホテル予約アプリなんかは使えないので、飛び込みで交渉するしかない。また、食堂の料理も宿も東シベリアは値段が高めで内容もイマイチの所が多かった。西シベリアまで来ると、その差ははっきりと分かるようになる。



ホテル予約アプリ
「ゼンホテルズ」がオススメ、というかこれ以外にロシア国内で国際クレジットカードで決済ができる方法はない。現状外国人旅行者は、あらゆる会計を全て現金で支払わなければならないので、このアプリの利用は助かる。ハバロフスクを出て途中で出会った韓国人ライダーさんに教えてもらったお陰で、現金の残高に余裕ができた。
インターネット事情
2025年になってから外国人はロシアのSIMカードを購入するのが非常に困難になったので、eSIMを購入してロシア入国前にインストールしておく。
eSIMは、ウラジオストクやハバロフスク・チタ・イルクーツク・ノボシビルスクといったシベリアの代表的な都市なら問題なく使えるものの、それ以外の僻地では繋がらなかったり遅くなることが多かった。あるいは、道路上では繋がるが、宿の部屋だと電波が来ないこともある。
また、宿のWi-Fiも弱くて使えなかったり、電波が強くてもVPNをかませると相性が悪くなり使いづらくなったりする。結局eSIM+VPNの組み合わせでネットを利用することが多くなり、当初の予定より大幅にギガを消費した。最初のインストールで10Gで契約、その後3Gのトップアップを3回し、ひと月で19Gまで増えてしまった。
ロシア人ドライバー
想像していたよりはるかにマナーがいい。信号のない横断歩道で歩行者が渡り始めると、必ず停止して歩行者を渡らせる。一度も歩行者を無視してぶっちぎって行くクルマは見たことがない。信号があれば、これも黄色でみんな停止し始める。
片側2車線あれば、追い越す車両のために必ず中央側の車線は空けて走っている。
反面、市街地を抜け無人地帯になると乗用車もトラックも豹変、競争のように走る。兎に角前を走る車両は追い越す。二重追い越しもよく見る。ぎりぎりの幅で追い越していくトラックもごくたまにいる。
日本車は多かった。ウラジオ〜ハバロフスクだと98%は日本車の感じ。ノボシビルスクまで来ると韓国車や謎の中国車やロシア車も増えてくる。しかーしトランプさん、アメ車は走っていませんよ。ウラジオストクからロシア出国までアメ車を見たのは10台以下。ロシア人とかアメ車好きそうな感じがすると思う。ハーレーはかなり見たけどね。
古い日本車はけっこういる。スプリンターカリブとか初代RAV4とかマツダ・ファミリアとか。
紅茶文化
筆者のようなコーヒー派にはちょっと困る国だ。食堂などでは必ず、グラス・ティーバッグ・お湯のでるタンク・レモン・砂糖がセットでレジ横にあって、安く気軽に紅茶が飲めるようになっている。コーヒーはインスタントですら用意されていないのがスタンダードである。
ガソリンスタンドの売店には、コーヒーマシンが置いてあって何度も利用したが、濃度が薄すぎたり壊れていたり安定していない。日本のコンビニコーヒーを想うと天国のようだ。
物価
思っていたより旅の費用はかかった。
1日あたり、宿が3000R前後、ガソリン代が10Lだと600R前後、食費が1000〜1500R。つまり1日5000Rの費用が平均してかかった。日本円では約8,500円となる。
途中から宿代はクレジットカード払いを多くした結果、手持ちの現金を気にしなくてよくなったので、実際にはもっと払っているかと思う。
以上、ロシアツーリング事情でした。

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