シリアの首都ダマスカスは世界で最も古い都市といわれている。旧市街の観光は自転車なら楽勝で徘徊できる。
イスラム浴場を体験「ハンマーム・ヌールッディーン」
イスラム世界の都市には、公衆浴場=ハンマームがある。日本の銭湯と同じだ。そして、この古代都市ダマスカスには利用可能な世界で最も古いハンマームが現存する。ハンマーム・ヌールッディーンである。
旧市街の中心に近いところにあるスーク(アラブ伝統市場)の中に小さな商店が並び、その商店と商店の間にハンマームの入り口がある。これがとても分かりづらい。
異国の銭湯、それもイスラム世界のそれだ。韓国のモギョクタンなんかとは違い、けっこうハードルが高い。でもいざ突撃。
入るとすぐ受付け(銭湯の番台的なもの)があり、おじさんが座っている。利用したいと告げると、料金を支払い貴重品を預け中へと進む。ムスリム以外はお断りとか、特にそういう事はない。
イスラム浴場の作法については全く知らない。予習もしていない。案内されるがまま成り行きに任せる。脱衣エリアで服をぬいでいく。最後のパンツをそのまま下ろそうとしたら、係のお兄さんが血相を変えて私の手を止めた。「お前、それは絶対だめだからな」アラビア語でそう言った、多分。そして深緑色の腰巻きを差し出すと、最後きつく締め込むのを手伝ってくれた。どうやら「ポロリ」は厳禁らしい。別に混浴でもないのに、以外と神経質だ。
浴場のメインルームに入ると、壁に沿って洗い場となっていて各自体を洗うようになっているが、決して腰巻きを外してはならない。フル◯ンは、完全ご法度だ。でもそのせいで、かなり洗いづらいぞ。周りのシリア人は上手にやっていたが。
あかすり付きコースの料金を払っていたので、係のお兄さんに促されあかすりのエリアで待機する。体格のいい無愛想なおじさんがやってきて、ひとこと何か言うと、台の上で寝そべる私の皮膚をゴシッゴシッと力強く擦り始めた。あっちを向けとかどうしろとか指示されるままに従うしかない。一通り終えると、背中を軽くたたかれ終了となった。
「目からウロコが落ちる」聖アナニア教会
日本人なら誰もが使う「目からウロコ」という言葉。これの語源は、キリスト教の新約聖書にあるお話「パウロの改心」からくる。
ざっくり言うと、色々悪い事をした結果、目が見えなくなってしまったパウロ。イエス・キリストに言われ弟子のアナニアが、パウロと会うことになった。アナニアがパウロの頭に手を置き、イエス・キリストの言葉を伝えると「パウロの目からウロコのようなものが落ち」目が再び見えるようになった。その後パウロは心を入れ替えた。
その現場がここ聖アナニア教会で、その地下の部屋には「目からウロコが落ちた」瞬間の映像というか画像というか絵がある。
これだ!
これはすごい。我々がよく使う言い回しの誕生の、まさにその瞬間だ。
みなさんも機会があれば、ぜひダマスカスの聖アナニア教会を訪れてみてください。「目からウロコ」ですよ。
最古のモスク、聖地「ウマイヤ・モスク」
8世紀の建築で、世界で最古のイスラム教礼拝所である。だれでも見学は自由、ドレスコードはある。
旧市街点描
ダマスカスには2泊滞在、翌日レバノンに向かう。
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