2008年ヨルダン・シリア・レバノン 自転車ツーリング(5):レバノン杉の巨木を見たい

ツーリング7日目、レバノン山脈を越える本格的な山登りに挑む。峠の標高は約2600m、これを越えなければ日本に帰れない。

早朝バールベックを出る。このあたりで標高1100mくらい。遠くにうっすらと見えるのが、レバノン山脈だ。
山が少し近づいて来た。
山の上の方に左右に見える色が違う部分が道路、あそこまでまずは行く。遠い。
途中、手招きをするので人がいたので寄ってみた。リンゴを振舞ってくれた。
きつい登りが始まる。
この休憩の後、奇妙な体験をする。

ヒーコラヒーコラ自転車を漕いで峠を仰いで登っていた時だ。「パーンッ」「パーンッ」と少し間を置いて乾いた破裂音が、走ってきた下の方から聞こえてくる。気になったので自転車を停めて音のする方を確かめてみる。何も見えないので、先に進む。

少し行くと、またあの音がする。「パーンッ」今度はさっきより音が大きい。明らかに近づいてきている。銃声?何を撃ってるんだろう?鳥は飛んでいないし、動物なんか全然見ない。

下の方を見ていると、白いメルセデス・ベンツのセダンがゆっくりと上って来た。メルセデスの助手席の窓は開いていて、そこからはなんと長い銃が出ていて、その銃口は上に向いている。まさか、標的はオレじゃないよな?

銃の先っぽを見せたまま、白いメルセデス・ベンツはなおもこちらに向かってゆっくりと走ってくる。レバノン山脈で人生が終わるのか…。

車のエンジン音が背中に聞こえてきた。メルセデスはゆっくりと通り過ぎていった。けっこうビビりました。

道端に空薬莢が落ちている。
最後の登りカーブ、峠の頂上はもう少し。
反対側が見えた。

峠の頂上でしばしアレコレの余韻に浸った後、山道を下っていく。反対側に出るとすぐに霧がたちこめ、明らかに湿気が多いのが分かる。地中海性気候だ。ヨルダンの空港を出てから砂漠気候の中をずっと走ってきたこともあり、これほど明確に気候の違いが分かるのに単純に驚く。



レバノン国旗の真ん中にあるのがレバノン杉。大昔のメソポタミア時代から利用されていた良質の木材で、現在は絶滅危惧種。ちなみに国旗に植物が大きくデザインされているのは、このレバノンとカナダのみ。

途中、植林保護されている地域があった。
いずれ屋久杉も見てみたい。
巨木にタッチし、エネルギーを分けてもらった。


この日は、ここから少し下ったところにあるブシャーレの街に宿泊。

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