1月18日、ツーリング5日目。
カンボジアの首都プノンペンまで77km。到着すれば、メコンデルタの自転車旅は一旦ゴールとなる。
東南アジアは最近(特に2015年あたりから)発展が早い。この旅行の時(2008年)にプノンペンで泊まった安宿街は、現在は整理されてしまいもう存在しない。
プノンペンの中心部にボンコック湖というそれほど大きくない湖があって、その周辺にはバックパッカーを引き付ける安宿街がある、というかあった。もちろん私もそこを目指して、ペダルを漕ぐ。
翌日のシェムリアップ行きの航空券を安宿街のトラベルエージェントで買う。片道US78ドル+手数料が4ドル。当時はまだカンボジア国内線は、ネットでは購入はできなかった。
5日目の走行距離は、87km。宿はUS5ドル。
1月19日はプノンペン市内をちょっと観光し、空路でシェムリアップへ移動する。
この後、非常に気分の重くなる施設を見学した。
※ここから先は、クメール・ルージュ時代の政治犯収容所=虐殺犯罪博物館に関する記事になります。悲惨な画像もあります。苦手な方は記事から離脱するのをおすすめします。
人々が日常の買い物をしているセントラル・マーケットから自転車で10分程度の場所に「S21」と呼ばれたそれはあった。
トゥール・スレン虐殺犯罪博物館である。
1975年からクメール・ルージュ(ポル・ポト政権による共産党「民主カンプチア」)がカンボジアを支配し、首都プノンペンにあった高校の建物を改造して政治犯収容所とした。
1978年までこの収容所は使用され、その後、ベトナムの軍事侵攻があり、泥沼のカンボジア内戦となっていく。1991年あたりでようやく和平となる。
1984年の映画『キリング・フィールド』はおすすめなので、ぜひ見てほしい。1970年代後半のカンボジアの姿を、アメリカの記者とカンボジア人の助手の実話をもとにした、とてもいい作品。ラストはジョン・レノン『イマジン』が流れ、泣けてくる。
重い気分は晴れないまま、シェムリアップに移動するため、青空の下自転車で空港に向かう。
コメント