1996年中国・ラオス・ベトナムの旅②:広州発昆明行き寝台列車で雲南へ

今(令和5年)から12、3年前中国に仕事で駐在していたのだが、その時社内の中国人と鉄道の話をすることがたまにあった。その頃既に中国は、高速鉄道界ではブイブイ言わせる存在になり始めていた。

一方、中国語で「緑皮車」という上の画像のような旧型客車も地方都市を結ぶ重要な役割があり、けっこう残っていた。

昔の国鉄の急行列車のような、ノスタルジックな雰囲気のするこういう乗り物は、筆者のような昭和オジサンの琴線に触れる訳で、乗ってみたいと口にすると彼ら彼女らは大抵顔をしかめて、言外に「こいつバカじゃないの」という反応を返してくる。

無理もない、遅くて不便でWi-Fiもない安いだけが取り柄のオンボロ列車に、敢えて乗ろうという変わり者は、都市部で生活する現代中国人の中にはいないのだ。

さて、この旅行当時の1996年に話は戻る。高速鉄道はまだ開業していないので、省をまたいだ移動は、陸路ではこうした長距離列車を利用するのが一般的だ。


チケットは事前に手配したのか、それとも香港辺りで当日買ったのか、記録が見当たらないのだが、乗車券は保管してあった。
筆者、鉄道の旅は割りと好きな方だが、「鉄オタ」ではないので、この機関車のスペックとかは知らないし、興味もない。ただ近づいてみると、けっこう大きくて力強さは素人にも伝わる存在感がある。


11月12日、18:30広州発昆明行き 164次直快。

昆明まで2308キロ、乗車時間は49時間。雲南省へとこれから向かう。


硬臥(3段式B寝台)の中段が私の席で、生活感丸出しの車内の様子が面白い。
駅のホームに出て弁当のおかずをあれこれ買ったりするのも楽しい時間である。


貴州省に入るころから地形も変わってきて、車窓から見える人の営みなんかも
中国的なものからアジア的なものに変化していくのが分かる。

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