1986年中国・パキスタン・インド・ネパールの旅⑬:雪のロワリ峠で敗退

11月13日、パキスタン航空国内線ペシャワール行きは天候不順でフライトはキャンセル。

11月14日、この日も飛行機は飛ばなかった。川原で牛の屠殺現場を目撃して気が滅入る。

翌日15日もペシャワール行きはキャンセルとなった。

当分チトラルから出られないのではないかという恐怖に、気持ちが侵食されていった。

天気の悪い毎日に突然きた体調不良、銃を持つ男たち、別に見たくもない家畜の屠殺。憂鬱な気分のまま悶々とする。

ネガティブな感情のスパイラルに陥っていた私は、復路の航空券を捨て、陸路でペシャワールまで戻ることにしてしまった。

チトラル・ペシャワール間には、途中ロワリ峠という厄介な難所がある。峠の標高は3100mくらいで、上の方はすでに雪が積もり車両は通行止めで、歩いて峠を越えなければならない。

麓の検問所で乗り合いのジープから下ろされ、歩いての山越えだ。

カラッシュ渓谷を訪ねた時の、ブンブレットからビリールの時の山越えに比べれば、普通の道だし楽勝だと軽く考えていたのだったが…。


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