中国・パキスタン国境クンジェラブ峠でランクル仲間と記念撮影をした。
この写真のとおり私たちは、前回の記事で書いた、行き止まりになった崖崩れの現場を越えて来た。
崖崩れの現場まで話しを巻き戻す…。
カシュガルに戻るというドライバーの言葉に踏ん切りのつかないまま、途方に暮れていると、誰かが指を指して声を上げた。
崖崩れの向こうから歩いて人がやってくる。特徴的な服を着たパキスタン人だ。中国人も岩をよけてこちらに近づいて来る。
どういう事なのだろう?何がおきているのだろう?
ドライバーは再び誰かと話しをしている。そして何かの結論が出たようで、私たちに説明を始めた。
要約するとこうだ。崖崩れの反対側には、パキスタン側から来た車がある。こちら側にはカシュガルに戻る車がある。乗客を交換して、車はそれぞれもと来た道を戻る、これでどうだ。
私たちは二つ返事でその提案にのった。
ゴロゴロした岩の中を歩いていくと、10分くらいで反対側に出た。そこにはパキスタン側から来た青いランクル70がいた。
1時間以上ロスしたものの、再び私たちはパキスタンに向け、移動を再開した。
それにしても、ほぼ同じタイミングで両側にランクルがいたのは、僥倖以上と言える出来事であった。

そこをすぎると、そろそろパミール高原が近づいて来る。

山と茶色い平原だけのパミール高原を車は走る。
やがて夜となり、ヘッドライトの灯りを頼りに道を外さないように走るドライバーだったが、かなり疲れてきているのが見てとれる。ある時突然ドライバーは車を停め、今日はここで宿泊だとジェスチャーで私たちに言った。小さな建物があった。
翌朝ここがタシクルガンという集落だと知らされた。国境手前の中国最後のポイントだった。ここで私はこの旅での一番印象深かった出来事に遭遇した。
その時の様子は、記事「タシクルガンの少女」で。


ついに本当に中国からパキスタンへと抜ける事が現実になる。


クンジェラブ峠標高4733m。

記念撮影の後、パキスタン側イミグレーションのあるスーストという所まで、引き続きランクルでカラコルムハイウェイを走る。パキスタン側は舗装されている。
時計を3時間戻す。日本との時差はマイナス4時間。


日が沈むと空は満天の銀河で、月明かりの山の稜線がまたひときわ美しかった。
夜遅く私たちはフンザに到着した。
どんな絶景が見えるのか、翌朝までおあずけだ。
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