還暦だって荒野をめざす:イースタンドリーム号再開第2報

画像引用元:ドゥオン商船

「いつかはバイクで世界一周」とぼんやり夢を見ていた頃、そのときから旅の起点は極東ウラジオストクが相応しいと決めていた。

シベリアを西へ西へと横断し、はるかヨーロッパへと向かう道は、世界地図の半分以上を優に占め、そんな果てなく続く風景の中をバイクでひたすら走るという、大陸走破の憧憬が常に私の中にあった。

筆者が学生時代だった1980年代は、まだ横浜-ナホトカ航路があって、接続するシベリア鉄道に乗れば『青年は荒野をめざす』のルートをなぞる由緒正しい?ヨーロッパへの格安旅行ができたので、その頃はそんなバックパッカーが多くいた。私もまた、そのルートを真剣に考えたくちだったが、中国シルクロード方面への興味が勝っていたので、大阪-上海航路の鑑真号に乗り『東方見聞録』のルートを目指し旅立ったのだ。

ソビエト連邦崩壊後ナホトカ航路は消えた。そして時は流れ、私の中で「バイクで世界一周」が夢から計画に変わった頃、ロシアルートについて調べ始めることになった。

ところがこのロシア航路、状況が二転三転して気持ちが休まらない。

2017年前後:ウラジオストク行きのフェリーって境港から出てるんだ。北海道から鳥取県ってけっこう遠いけど、まぁいいか。ふーん、韓国の船会社か。いずれこれに乗って行くことになるのか。

2019年暮れ:なんと、フェリー運航停止!日韓関係悪化で利用客が激減だと。韓国大統領がNO JAPANキャンペーンなんかやるからだ。いい迷惑だ。

2020年初春:船会社のDBSクルーズが業務停止。これはまいった。さて、どーする?スタート地点にさえ行けないぞ。とはいえ、私の出発はまだまだ先。状況が変化する事に期待しよう。

2020年9月:やったー、フェリー復活のニュースだぜ!今度は舞鶴発か。境港より舞鶴の方が全然いいぞ。

2021年2月:ショック!またもや航路廃止のニュース。コロナの影響だって。マジか~。一体どうなる、ロシア航路?

2021年5月:舞鶴発で運行再開、ただし旅客扱いは当面休止。コロナで海外旅行も低調な世の中。仕方あるまい。

2022年6月:今度はロシアのウクライナ侵攻で、舞鶴寄港が一時休止だという。もうあまり驚かない。

この年、韓国の大統領が変わり、日韓関係に変化の兆しが出始めているので、コロナが終わりロシアの問題も落ち着けば、おそらく舞鶴〜東海〜ウラジオストク航路は旅客再開となるはず。

ここまでを下書きとして書いたのが2022年7月。

そして翌年、2023年3月。韓国の大統領が訪日、岸田総理と会談。ニュースでは、日韓関係の潮目が変わったと報じていた。

新しくイースタンドリーム号の親会社となったDUWON商船のホームページを頻繁にチェックする毎日が続くが、2023年は航路再開の知らせを目にすることは無かった。

ところが今年の1月下旬、待ちわびた航路再開のニュースがついに発表された。


先月中旬に追加されたイースタンドリーム号再開の第2報。

①境港〜ウラジオストクの旅客運賃表が4月中旬に発表された。バイク航送料金等は今のところ不明。

客室は下から2つ目の「二等席」を利用する予定。


②境港発の再開第1便は7月5日のようである。「プロモーション価格」の設定があり、小さい字で「7月5日から」となっている。この割引価格、いつまでとは書かれていない。


③鳥取県境港市に関連する公の発表も多少具体的になってきた。「境港ニュース」というpdfファイルの2ページ目にイースタンドリーム号の記事が載っていた。


このまま順調に運行再開になり、大陸へと渡る旅人の貴重な「日露航路」としてそのまま定着してほしいものである。

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