その1:札幌市 雪虫食べちゃったさん(海外旅行初級)からの質問
入国審査の時、いつも自分が並ぶ列にかぎって進む速度が遅いような気がします。単に運が悪いだけなのでしょうか?
飛行機から降り、到着ゲートからアライバルの表示に従ってターミナルの長い通路を歩いていく。動く歩道なんかがあれば、そこも歩いてしまって、相対的な速度差は2倍以上でアスリート並みにグングン進んで行く。みんな少しでも早く空港を出たいのだ。同じ便の乗客同士で、なんだか競歩のような感じになってしまうこともよくある光景。
そんな、到着ターミナル脱出競争の最大の難所が、入国審査だ。どのブースの列を選択するかで勝敗が決まるのだ。
しかも瞬時に判断しなければならない。出来上がっている列の人数はもちろん、そのメンバー構成を観察するのは重要だ。子供連れのいる列は除外しよう。不慣れな挙動をしている人物や悪目立ちをしている者がいる列も、入国審査官の印象が良くないので時間がかかる可能性大だな。前の人が、強そうなパスポートを手にしているか確かめよう。早く進むぞ。
そして「この列だ、この列が早そうだ」と精緻な観察から導き出した自分の判断を信じよう。スーパーのレジに並ぶのとはわけが違う。
おいおいそれなのに、自分の列の進みがなんだかやけに遅いじゃないか。隣にいたファンキーな身なりのやつがいる列の方がサクサク進んでいるぞ。その向こうの騒がしい子供連れの列も進みが早い。挙げ句の果ては、入国審査官の補充がいつの間にか現れて、後ろの人が次々にそっちに流れていく始末。
筆者の入国審査スピード勝負の対戦成績は、23勝71敗的な感じで、完全負け越しです。
答え:運に任せましょう。
その2:岐阜市 鮎は塩焼きよりフライの方が好みさん(バックパッカー歴5年)からの質問
飛行機より陸路で行く方がえらいのですか?宿で「いかにキツかったか」を自慢している人がいて、なんか嫌な感じです。
出た!ありがちですね。これは特に日本人宿やドミトリーのある安宿で多くみられる現象。
そもそも旅行なんて遊びなわけだから、お気楽な方法で旅すればいいし、手段に優劣なんかない。ところが「バックパッカー」という浮世離れした特殊なポジションに自分がなると、常識とは違うスイッチがある時から入ってしまい、飛行機=楽な旅=悪という歪んだ正義に精神は蝕まれていく。特に中級バックパッカーが陥りやすい症状。
一度でも、過酷な陸路移動の旅を成功させてしまうと、そのマゾヒスティックな快感が忘れられず、たまらず他人に語りたくなるのだ。また日本人宿という言葉の壁が無い「ホーム」だと、もう抑えきることができない。
そんな自称「旅慣れた人」が複数集まれば、否が応でも自慢話の上に自慢話を重ねる大会になってしまい、周囲はいたたまれない気分になっていく。
ただ、日本で通常モードで普通に日々の生活をする人には到底理解できない、そういう彼らの生態も理解してほしい。そして実はあなたもその準メンバーなのだ。そっち側の人になってしまう危険は常にある。
旅を重ねれば、誰もがいつしか真の「旅慣れた人」になっていく。そうなれば、白熱した会話の場でもきっと余裕でいられることでしょう。
答え:はじめのうちは、日本人宿を避ければ、とりあえずは表面的な鬱陶しさからは逃げられます。
つづく(次回未定)
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